こんにちは、マリです。
今回は、ファイナンシャルプランナーの試験科目である「不動産」の概要と勉強法を見ていきます。
ファイナンシャルプランナーの試験科目は、1級~3級のいずれも、以下の6科目となっています。
「不動産」の科目では、不動産の見方(登記、様々な価格)から売買・貸借などの契約、関連する法規制、不動産取引のシーンで発生する税金など、不動産に関わる様々な事項を学びます。
不動産を保有している方・これまで売買の経験がある方などには、なじみが深い事項も多いでしょうが、そうでない方にとっては初めて聞くことばかりかも知れません。
しかし、これまで経験のない方にとっても、不動産の知識は、個人の人生設計や将来の資産活用において、欠かすことのできない重要なものです。
このような「不動産」について、どんな内容で、どんなことに気をつけて勉強すればよいのでしょうか。
一緒に確認していきましょう。
Contents
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される不動産とは
不動産の科目では、大きく分けると、次の3点について学びます。
- 不動産の取引をする上で必要になる知識
- 不動産に関連する法律(建築基準法、区分所有法など)
- 不動産取引に関わる税金の種類や特例
それぞれ、カンタンに説明しましょう。
1.不動産の取引をする上で必要になる知識
ここでは、まず「不動産登記」に関して、くわしく学びます。
不動産登記とは、不動産取引を安全かつ円滑に行えるよう、不動産の情報を役所に登録し、その情報を誰でも閲覧できるものです。
土地や建物などの不動産は高額なものですから、消費者などを保護するためにも、必要な制度ですよね。
また、売買契約や賃貸契約の詳細についても学びます。
売買契約では
・手付金
・危険負担
・瑕疵担保責任
などの用語を押さえる必要があります。また、賃貸契約では
・借地借家法
・借地権/借家権
・定期借地権/定期借家権
など、法律や権利の内容を押さえる必要があります。
その他、公示価格・基準値価格・路線価・固定資産評価額など、様々な目的で利用される土地価格の種類についても学びます。
2.不動産に関連する法律
不動産には、様々な法律により規制がされています。
ここでは、都市計画法、建築基準法、区分所有法などを見ていきます。
都市計画法とは、計画的に都市を開発していくための法律です。都市化する地域だけでなく、自然を残す地域なども定めて、よりよい国土の開発を目指している、と考えてください。
続いて建築基準法ですが、ここでは敷地や建物について、様々な規制を学びます。
たとえば、一定の条件においては、建物の敷地は道路に2m以上接していなければならない、などの規制があります。
また、綺麗な街並みの観光地には、高層ビルが無い地域があります。そのような高層ビルの規制は、都市計画法と建築基準法に関わる規制なのです。
区分所有法とは、分譲マンションなどの集合住宅において、住民の人たちがトラブルなく共同で住むための法律と考えれば、分かりやすいでしょう。
3.不動産取引に関わる税金の種類や特例
不動産に関する税金は、不動産の取得・保有・譲渡・賃貸と、あらゆる場面で発生します。
税金と聞くと、苦手意識のある方も多いと思いますが、それぞれの税の内容を比較しながら理解すると、覚えやすくなります。
一度マスターしてしまえば得点源になりますので、上手に攻略しましょう。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される不動産の出題範囲(出題内容)は?
ファイナンシャルプランナーの試験で出題される「不動産」科目の出題範囲は、以下のとおりです。
- 不動産の見方
- 不動産の取引
- 不動産に関する法令上の規制
- 不動産の取得・保有に係る税金
- 不動産の譲渡に係る税金
- 不動産の賃貸
- 不動産の有効活用
- 不動産の証券化
- 不動産の最新の動向
不動産の科目においては、2級と3級の出題範囲はまったく同じです。
つまり、3級でも覚えるべきところが多くあります。
一方の2級は、3級に比べ、当然ながら深い知識・理解が問われます。
「法令上の規制」のなかで建ぺい率・容積率などの指標がありますが、2級では、これら指標に関する正しい知識に加え、実際に計算できることも求められます。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される不動産の正しい勉強方法や勉強のコツ
ファイナンシャルプランナーの試験に合格するために、ここでは不動産の正しい勉強方法やコツについて説明していきます。
多くの知識を覚える必要がある不動産の科目ですが、一番よいのは、自分で不動産を扱うことでしょう。
マイホームを建てる
投資用のマンションを購入する
とはいえ、非常に高額な商品ですから、そんなにタイミングよく扱う機会に恵まれない人が大多数でしょう。
その場合でも、
将来、自分がマイホーム(または投資用不動産)を購入する場合のこと
を想像して、「自分のこと」として取り組んでみてください。
不動産の科目に限りませんが、興味を持って取り組むのとそうではない場合とでは、記憶や理解の進み具合に雲泥の差があります。
また、現在では少額で始められる「不動産投資信託」という商品もあります。
実は、不動産投資信託についても、不動産の科目の出題範囲に入っています。
不動産投資信託なら、不動産の科目だけでなく、金融資産運用の科目にも関心を持てるでしょうから、趣味と実益を兼ねて、まずは商品を調べてみてはいかがでしょうか。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される不動産の頻出論点は?
不動産の科目は、出題範囲が非常に広くなっています。
これは個人的な感想ですが、
「不動産に関する項目を、何でもかんでも詰め込み過ぎ」
のような気にしています。
実際、FPとして必要ないような知識もチラホラ・・・(笑)
それはともかく、当然この分野でも「満点ではなく、60点を確実に狙う戦略」を取るべきです。
頻出の論点は、2級・3級とも以下のとおりです。
- 不動産の取引
- 不動産に関する法令上の規制
- 不動産の見方
- 不動産の譲渡に係る税金
- 不動産の取得・保有に係る税金
項目レベルでは、
不動産の売買、賃貸契約、建築基準法、居住用財産の譲渡における3,000万円特別控除
以上4点が最頻出になっています。
4番目の「居住用財産の譲渡における3,000万円特別控除」とは、いわゆるマイホームや分譲マンションの住替えのときに、税金が優遇されるものです。
投資用の不動産の販売と、家族の住居の住替えのための販売において、同じように税金を取られると、後者は困ってしまいますよね。
そのための施策だと考えてください。非常に身近な施策なので、興味を持って学習してもらえれば、と思います。
なお、ファイナンシャルプランナーの3級の試験は基本的な事柄だけ押さえておけばOKですが、2級に合格するにはもう一歩踏み込んだ勉強が必要です。
また、「時間がないから」と言って、テキストを読むだけでは、「どのように出題されるか(出題形式)」が分からず、本番で失敗することになります。
一捻りも二捻りも加えた形で出題されるため、何が問われているのか整理しながら問題集や過去問を解いていきましょう。
不動産の勉強は、少しでも興味を持つとグッとラクになります。
さきほど紹介した不動産投資信託など、自分自身で工夫してみてください。
まとめ
以上のように、ファイナンシャルプランナーの試験で出題される不動産についてまとめました。
顧客のファイナンシャル・プランニングを成功させる上で、不動産の知識は欠かすことはできません。
ぜひ、「不動産」の科目をしっかり理解して、顧客に頼られるファイナンシャルプランナーを目指してください。
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